ケース
IT関連の事業を営むC社は,システムエンジニアとして社員Dを中途採用しました。プロジェクトマネージャー経験もあるという職務経歴を重視して採用したものの,Dはコミュニケーション能力には問題があり,クライアントや他の社員との協調がとれない上,プログラミングの知識や技術も期待より大幅に低いものでした。
さらにDは無断欠勤も度々するようになったため,プログラマーとしてプロジェクトに組み込むことも困難であることから,C社は,Dを退職させる方針としました。ところが,Dは権利意識が強く,容易に退職には応じない構えであり,解雇に踏み切った場合には裁判を起こされることが想定されました。
そこで,C社は,合意によりDを退職させられないか,弁護士に相談することにしました。
弁護士の活動内容
- 社長,人事担当者からのヒアリング 1回
- 社長による退職勧奨に弁護士が同席 1回
- 弁護士の事務所にて弁護士による退職勧奨 1回
成果
退職合意書の取得
解決までの期間
約1か月
費用
依頼時の顧問契約により着手金0円,退職合意書の取得による成功報酬16万円(税別,通常の2割引)
コメント
Dの態度は当初頑なだったものの,その原因の大半を占めているのが,本人のプライドが極めて高いことであると推察されました。そこで,その点に配慮し,2回目の面談は社長をはじめ会社の関係者は同席せず,弁護士のみで対応したところ,社外の第三者という立場が考慮されたこともあり,Dの態度が大きく軟化しました。その結果,優遇措置のカードも準備していましたが,これを使うことなく,合意退職に至ることができました。
対象者が,退職に伴う経済的な条件にはあまりこだわらなかったこともあり,比較的スムーズにできたケースといえます。